娘、時々ネコ。たまにWebとか工作とか

2015年秋生まれの娘、夫、茶トラとサバトラの猫。3人+2匹で都内で暮らしています。

「保育園不承諾の人の数≠待機児童数」が保活の悲劇の一因になっているんじゃないだろうか

さて、品川区認可保育園の結果は本日発送され、明日には入園希望者の手元に届く予定なわけですが。個別の結果発表に先立って、一次募集の承諾/不承諾の数が発表されていたようです。

公式発表によると品川区の平成26年度(2015年4月入園に向けた応募ですね)の待機児童数は 128人。

dual.nikkei.co.jp

前年の待機児童128人から今年度の不承諾は1000人以上。この数字だけ見ると、昨年から今年に向けて待機児童数が大幅に増えた印象があります。が、実はこの「待機児童数」の数字にはからくりがある、ということを、以下の投稿で初めて知りました。

[再掲載]品川区の待機児童カウントは、一次募集で不承諾になり、二次募集で入園を申請したにも関わらず不承諾になった人数を待機児童としてカウントしますので、狭き門ではありますが、あきらめずに二次募集でも入園申請をしてください。(待機児童の...

Posted by 保育園ふやしたいしながわ on 2016年2月12日

実際に2014年の一次不承諾数は1256人とのこと。

一次募集で不承諾となった人のうちの一部は、認証/認可外保育園に通うことを決定し、二次募集に応募しない人もいるでしょう。応募するためにはまた様々な書類を記入しなければならないし、二次募集の結果を待っていたら3月半ばまで結果がわからない。だったら2月中に認証/認可外の入園が確定できるならもうそれで決めてしまおう・・・そう考える人も多いでしょう。あるいは、一次不承諾に気落ちして、「もう1年自宅保育でいいや・・・」とあきらめてしまう人がいる可能性もなきにしもあらず。

 

待機児童の定義は市/区によって違うため他の市区町村については分かりませんが、少なくとも品川区の定義では、保育園の一次募集で不承諾になった人=待機児童、ではないのです。

  

この数字の乖離が「保活の悲劇」を生んでいる気がしてなりません。「応募者3000人に対して待機児童数1,000人」と言われれば、「認可保育園入れないかも」と危機感を募らせる人は多いと思います。その結果、認可応募前に認証/認可外の待機列に並ぶなど「認可に入れなかった場合」を想定して動く人もいることでしょう。でも「応募者数3000人に対して待機児童数100人〜200人」と言われたら。「あ、それなら、選ばなければどこかの認可に入れるのでは?」と思う人が大半ではないでしょうか。

 

「多分認可に入れるだろう」という前提で保活をすすめ、2月の認可発表で不承諾。慌てて認証/認可外に連絡するも、その時点で4月入園の応募を閉め切っている園も多い。かろうじて応募を受け付けている認証/認可外の待機列にならんでも4月にはとても順番がまわってきそうにない・・・その結果、「認可に入れなかったどうしよう!」という悲鳴があちこちであがってしまう。

 

自治体として「なるべく待機児童数を少なく見せたい」と思う気持ちは分からないでもありません。でも、そうやって一見耳あたりのよい数字を対外的に発表した結果、「入れると思っていたのに入れなかった」人が大量に発生し、その人たちのキャリアや家庭におけるプランを狂わせている。それよりは、「正しい数字」を広く知らしめて、あらかじめ何らかの手が打てるようにしてあげた方がよいんじゃないかなあ、と思っています。

 

<<追記>>

品川区、2016年4月入園の各園のボーダーが発表されています。